避妊・去勢のメリット
男の子
- 発情中のストレスをなくす
- 攻撃性の低下
- 喧嘩の減少(猫)
- 喧嘩や交尾による感染症(猫白血病、猫エイズ)を防ぐ(猫)
- 尿スプレー・尿マーキングの減少(猫)
- 望まれない妊娠を防ぐ
- 病気の予防(前立腺肥大、精巣腫瘍、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなど)
女の子
- 病気の予防(乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、卵巣腫瘍)
- 発情期のストレスの軽減
- 交尾による感染症(猫白血病、猫エイズ)を防ぐ(猫)
- 望まれない妊娠を防ぐ
- 発情中の夜泣きを防ぐ
- 陰部からの出血の管理の手間を省ける
犬の乳腺腫瘍について
犬の乳腺腫瘍の発生率は人の約3倍と言われており、さらに避妊していない犬は、避妊した犬の約7倍と言われております。しかし、初めての発情前に避妊手術をすることで、発生率を0.05%に下げることができます。
⇒ 犬の避妊手術は「初めての発情前に実施」するのが理想
避妊・去勢のデメリット
- 全身麻酔
- 縫合糸に対する生体反応(体内に残った糸に反応し、炎症が生じる)
- 太りやすくなる
上記のデメリットのリスクを軽減するために…
① 体の元気な若いうちに手術を受けましょう(理想は生後6ヵ月頃)
② 当院では生体反応が生じにくい縫合糸を使用しています
③ 手術前の体型を維持するために、食餌の量を約30%減量しましょう
手術時期 | 生後6ヵ月以降 |
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入院期間 | 男の子:不要 女の子:1泊(入院費用は不要です) |
術後管理 | 術後の感染予防のため、抗生剤を飲ませて下さい。 猫の男の子以外は、抜糸が終わるまで傷口を舐めないようにカラーをつけてもらいます。 |
抜糸 | 術後10~14日目以降に実施します。所要時間は数分です。 猫の男の子以外は抜糸が必要です。ただし、野良猫ちゃんのように抜糸が困難なケースでは、抜糸が不要な縫合方法を選択しますので、ご相談ください。 |
出産について
妊娠期間
犬;最初の交尾日から分娩日までを数えると56~72日(平均63日)
猫;56~71日(平均的に63~67日)
出産予定日の判断
体温測定;分娩22時間くらい前から1~1.5℃下がる
分娩予定の1週間くらい前から実施
猫は犬ほど信頼性はない
分娩
巣作り行動や落ち着かなくなるなどの行動が認められて1~2日後に赤ちゃんが産まれてきます。
分娩にかかる時間は1頭あたりおよそ1時間です。
赤ちゃんが分娩されず、母犬のお腹の中に残っていた場合、母子ともに危険な状態になることがありますので、必ず事前に病院で胎子数を確認しておきましょう。その際、助産や分娩後の赤ちゃんのケアの指導をさせていただきます。
帝王切開について
陣痛が始まっても産まれない場合、お腹の赤ちゃんはもちろん、母犬も命に関わる状態になるため、早急に帝王切開が必要となります。
分娩は夜から早朝にかけてが多いため、深夜に緊急の状態に陥るケースが非常に多いです。実際、当院での帝王切開は、深夜11時を過ぎたくらいが最も多い時間帯です。
ただし、帝王切開には人手が必要なので、ほとんどの病院では夜中の帝王切開を実施されていません。夜中に分娩が始まっても産まれず、病院に電話してもどこも出てもらえず、翌日、亡くなった赤ちゃんを病院で取り出したことがある飼い主さんもいらっしゃいます。
当院ではそのような出来事が起こらないために、可能な限り夜中でも帝王切開を実施しております。しかし、手術器具の準備や人手の確保ができず、手術をお断りさせていただくこともありますので、帝王切開の可能性がある場合は、定期的な受診によって母犬の状態を把握させて頂く必要があります。