皮膚の疾患
痒み、脱毛、色の変化などを伴う被毛や皮膚に対する診療になります。 病状の原因を追究し、適切な治療計画をたてます。

動物病院において、犬や猫の皮膚トラブル(痒み・赤み・発疹・毛が抜ける・フケがでる・脂っぽい・できものができているなど)は、受診される理由の中で最も多い症状です。
皮膚トラブルが原因として出てくる継続的な痒みは動物にとって時には眠れなくなるほどのストレスになります。
また飼い主様自身も皮脂から出る臭いやフケの処理に悩まされ、動物と飼い主様どちらにも負担が大きい症状です。当院では、そんなみなさまのお悩みを解決できるように、専門的な知識を持った獣医師が皮膚に関する様々なトラブルに対して診療いたします。

対応疾患

皮膚病は、1つの症状であってもその原因は複雑に絡みあっていることがよくあります。
早い段階で症状をコントロールできれば、動物たちも早く楽になりますので、少しでも「おかしいな?」と思ったら診察時にご相談ください。
アレルギー性皮膚炎

アレルギーには大きく分けると下記の3種類のアレルギーがあります。近年では、学会でもアレルギーの診断・治療方法について、色々な議論がされてまいりましたが、最近では、アレルギー診療も【 一定の好成績の出る方法 】が確立されてまいりました。

外耳炎

外耳炎とは外耳道に生じる炎症のことです。
種々の要素が複合的にからみあって発症し、時に悪化し、慢性化します。
アレルギー性皮膚炎、内分泌疾患、免疫介在性疾患などの全身性皮膚疾患、耳道内異物,外部寄生虫感染などが主因となります。細菌感染、マラセチア感染、外的刺激、不適切な耳処置などがさらに悪化させる要因となります。

外部寄生虫症(ニキビダニ症、疥癬)

ニキビダニによる犬ニキビダニ症(犬毛包虫症)、イヌヒゼンダニによる犬疥癬がみられます。外耳道を好んで寄生するミミヒゼンダニは、耳疥癬を発症させます。
ニキビダニは犬の毛包内に常在する寄生虫で、離乳期を過ぎると犬から犬へと伝播することはないと考えられています。犬ニキビダニ症は、宿主側の要因によりダニが毛包内で過剰に増殖することで発症しますが、ほかの動物やヒトには伝播しません。
ヒゼンダニ属のダニは、罹患動物との接触によって同種の動物へと伝播して定着します。またヒトなどの異種動物にも伝播することもありますが、そのまま定着することはありません。

耳血腫

耳血腫とは、耳介の凹面(内側面)に血液が貯留し、波動感のある腫脹が生じた状態のことです。
病因は明確ではありません。多くの場合、外耳炎などに伴う疼痛や掻痒のために頭を強く振ったり掻いたりすることで、耳介軟骨に骨折が生じ、この骨折した耳介軟骨内部の大耳介動脈の分枝から出血が起こり、耳介軟骨板内に貯留し、血腫が形成されると考えられています。また加齢などの軟骨が破綻しやすくなるような何らかの要因が存在する場合にも、軟骨の骨折が生じやすく、耳血腫の発症につながる可能性があります。
中齢から高齢の中~大型犬に多い傾向が指摘されています。垂れ耳の犬は発症リスクが高いとされていますが、立ち耳の犬や猫でも発症します。頭部を振ったり掻いたりする動作を誘発する外耳炎やアレルギー性疾患などのほかに、免疫介在性疾患も発症の引き金となる可能性があると考えられています。

膿皮症

皮慮や粘膜に常在するブドウ球菌などの細菌が皮膚の表面や毛包内で増殖し、増殖部位に炎症を起こす疾患です(表在性膿皮症)。時に感染巣が毛包を破壊して皮膚の深部に到達することがあります(深在性膿皮症)。
細菌が皮膚の表面で増殖しやすい高温多湿の時期に、特に被毛が密生した犬種に好発する傾向があります。また、脂漏症やアトピー性皮膚炎の犬、ホルモン異常などの内科疾患を持つ犬にも好発する傾向があります。

免疫介在性皮膚疾患

●落葉状天疱瘡
皮膚の自己免疫性疾患の一つと考えられています。
皮膚の表面を覆う表皮の細胞同士はある種の蛋白質で接着していますが、この蛋白質(特にデスモコリン1やデスモグレイン1) を自らの免疫で攻撃することで細胞がバラバラになり、加えて炎症を起こす疾患です。
多くは特発性ですが、薬物や基礎疾患が誘因になることもあり、紫外線は悪化要因となります。
紫外線を受けやすい屋外飼育犬に好発し、紫外線の強い夏季に悪化します。

●円板状エリテマトーデス
皮膚の自己免疫性疾患の一つと考えられています。
表皮と真皮を隔てる基底膜を構成する蛋白質を自らの免疫で攻撃することで表皮がはがれやすくなり、加えて炎症を引き起こす疾患です。多くは特発性ですが、紫外線は悪化要因となります。
紫外線を受けやすい屋外飼育犬に好発し、紫外線の強い夏季に悪化します。

乳腺腫瘍

乳腺に発生する腫瘍です。原因は分かっていませんが、加齢、遺伝 、性ホルモンなどが関係すると考えられています。
悪性であればリンパ節や肺に転移することがあります。良性の乳腺腫瘍から、悪性腫瘍が発生することもあると考えられています。

対応検査

  • 皮膚の直接鏡検(皮膚掻爬(そうは)検査・毛検査・細菌培養・真菌培養)
  • アレルギー検査(食物・ハウスダストマイト・樹木・雑草・真菌 等)
  • 血液生化学検査・ホルモン検査
  • 皮膚病理検査・皮膚生検

治療方法

皮膚病は、症状が似ている場合でも原因が異なることが多い病気です。
また、複数の原因がある場合や、二次的にでる症状などもあります。

●内服薬
●外用薬
●シャンプーによる薬浴
●注射による投与
●サプリメントの投与
●食事療法
●外科的治療法

治療方法には上記などがあります。状態や重症度によって最も適した組み合わせで治療をおこないます。
また飼い主さんの希望にあわせて、オーダーメイドの治療を目指しています。
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