内分泌・代謝性・栄養性の疾患

対応疾患

インスリノーマ

膵臓にある膵島 (ランゲルハンス島)のB細胞が腫瘍化し、 インスリンの過剰分泌が起こるため、血糖値が低下します。犬のインスリノーマは通常悪性であり、 肝臓やリンパ節に転移することが多いです。
中~高齢の犬で起こりますが、発症頻度はまれです。性差や好発犬種は特に報告されていません。

原発性上皮小体機能亢進症

原発性上皮小体機能亢進症は、甲状腺の表面および内部に存在する4つ(2対)の上皮小体のうち、どれか1つまたは2つが腫瘍化することによって発症します。まれに、上皮小体組織のびまん性過形成によるものも存在します。
原発性上皮小体機能亢進症は、主に中~高齢の犬に発症します。雌雄差や好発犬種は特に知られていません。

甲状腺機能低下症

犬でよくみられる内分泌疾患です。甲状腺がリンパ球性甲状腺炎、または特発性委縮により破壊され、甲状腺ホルモン (サイロキシン(T4)やトリヨードサイロニン(T3))が分泌されなくなるため起こります。
若~高齢まで広範囲の年齢の犬に発症します。目立った雌雄差は知られていません。ラブラドール・レトリー バーやドーベルマンが好発犬種とされていますが、それ以外にも多くの犬種で発症します。

糖尿病

病因として、遺伝素因やホルモン過剰(クッシング 症候群や雌犬の黄体期)および膵炎などが挙げられます。膵臓からのインスリン分泌がなくなる場合がほとんどです。そのため、毎日のインスリン注射によって治療を行います。
中~高齢で多くみられます。犬では雄よりも雌で多くみられます。

副腎皮質機能低下症 (アジソン病 )

副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンが不足することによって起こる疾患です。副腎皮質が特発性 (原因不明、おそらくは自己免疫による)の機序により破壊され、起こることが多いです。また、副腎皮質機能低下症には、電解質に異常が認められる定型( 症例の約90%)、および 、 電解質は正常である非定型 (症例の約10%)が存在します。
犬でしばしば 認められます。若~中年齢の雌犬で好発し、わが国ではプードルで多くみられます。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎皮質機能亢進症はクッシング症候群ともよばれ、副腎皮質からコルチゾール(ステロイドホルモンの一つ)が過剰分泌されることにより、様々な臨床症状を呈する疾患です。犬では発症率が高く一般的な内分泌疾患です。下垂体性副腎皮質機能亢進症(PDH) と 副腎腫瘍(AT)によるものに分類されます 。
すべての犬種に発症し得ます。主として、5~7歳齢以上の犬でみられます。犬の副腎皮質機能亢進症の80~90%はPDHであり、10~20%はATです。

対応検査

  • 血液検査
  • 尿検査
  • X線検査
  • エコー検査
  • CT検査
PageTop PageTop
0875-27-8912
WEB予約 LINE