食道・胃・腸の疾患

対応疾患

胃・小腸の腫瘍

胃の腫瘍
猫ではリンパ腫が最も多くみられます。 リンパ腫のほかには、腺癌、平滑筋肉腫、消化管間質腫瘍(GIST)、 線維肉腫などが多くみられます。胃と小腸の腫瘍では悪性が多くみられます。
小腸の腫瘍
多くは7歳齢以上で発症します。良性では平滑筋腫、悪性ではリンパ腫、平滑筋肉腫、腺癌、肥満細胞腫、線維肉腫などがみられます。このように多くは悪性腫瘍です。

胃炎・腸炎

消化管粘膜に炎症が生じた状態を指す用 語で、胃粘膜に炎症を生じたものを胃炎、腸粘膜に炎症を生じたものを腸炎とよびます。厳密には診断名ではなく症候
名です。発症から数日程度の持続であれば急性、数週間持続している場合は慢性 と分類し、例えば急性胃炎、慢性腸炎などのように命名します。
胃炎の症状は嘔吐が最も一般的で、重度の場合は食欲不振を伴います。嘔吐は” そわそわする” などの前兆がみられ、腹筋の収縮を伴うことが吐出との鑑別点です。

巨大結腸症

巨大結腸症とは疾患名では なく、「持続的。不可逆的な結腸の拡張と運動低下を特徴とする状態 」を指す言葉です。
重度の便秘が続くと、大腸に持続的な拡張や運動性の低下が起こり、難便が正常に排泄されなくなります。その結果として、巨大結腸症とよばれる状態になりま
す。つまり、長期にわたる重度な拡張により結腸平滑筋や神経に不可逆的な変化が起こり、無力症化することになるのです。
種々の原因によって発生しますが、いくつかに分けることができます。猫では多くが特発性です。
●閉塞性一骨盤骨折による骨盤腔の変形や狭窄、大腸あるいは肛門の狭窄や腫瘍、管腔外腫瘤による圧迫。先天性肛門奇形などが原因となります。
●神経性一神経損傷、脊髄腫瘍、脊髄尾側の疾患、心因性などが原因となります。
●特発性一結腸の神経機能障害に由来すると考えられていますが 、詳細は明確ではありません。このほかに、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患や慢性腎臓病 、 糖尿病などの代謝性疾患、あるいは便を我慢するなどの行動異常も病因として考えられます。

食道の異常(食道炎 •食道狭窄 • 天食道症)

食道炎の原因としては、胃食道逆流(GER)、刺激性の物質や異物の摂取、熱傷、持続的な嘔吐などが挙げられます が、一般的にGERが最も多いと考えられています。
炎症が粘膜表層にとどまらず、粘膜下織や筋層まで波及すると、食道狭窄が起こるリスクが高まると考えられています。 麻酔によって生じるGERは、食道狭窄の原因の代表的なものであると考えられています。
猫では薬剤誘発性 (ドキシサイクリン、クリンダマイシン)の食道狭窄が報告されています。
食道疾患の最も一般的な症状は吐出であり、嘔吐との鑑別が重要です。吐出では吐き出す動作の時に腹部の収縮運動が認められないのが特徴的であり、常に腹 部の収縮運動を伴う嘔吐とは対照的です。他の症状としては、食道相の嚥下困難 (嚥下動作の反復や嚥下に伴う痛みなど)、流涎、悪心、食欲低下、活動性の低下、体重減少などがあります。

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