口腔内の疾患

対応疾患

口腔内腫瘍

口腔内の悪性腫瘍は比較的多く認められる疾患で、猫では扁平上皮癌が多く認められます。いずれの腫瘍も局所浸潤性が強く、多くの場合、下顎骨や上顎骨に浸潤が認められます。扁平上皮癌は比較的転移しにくい腫瘍です。

根尖周囲病巣

歯髄炎が進行して歯髄壊死に至ると、様々な刺激物質が根管から根尖部周囲の歯周組織へ広がり、この病変が成立します。
病因の強さと組織抵抗力の強さとの関係によって、根尖周囲膿瘍、根尖周囲肉芽腫,根周囲嚢胞一以上3 型のどれかになります(ただし、これらを臨床的に区別することは困難で、病理組織学的検査が必要です)。
典型的な原因は、歯冠破折がもたらす露髄 (歯髄が口腔内に露出した状態)です。
これにより、歯髄が直接的に細菌感染して発症します。
すべての歯で発症しますが、猫では上下顎犬歯の歯冠破折による ものが多く認められます。

歯周病

歯の表面に付着した歯垢中の細菌が原因となって、歯周組織 (歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨)が炎症を起こす疾患です。炎症は最初、歯肉だけに及びます(歯肉炎)。そして これを放置すると、 炎症はほかの歯周組織にも及びま す (歯周炎)。歯肉炎と歯周炎を総称して歯周病といいます。

唾液瘤(唾液粘液嚢胞)

唾液腺やその導管が傷害され、唾液が出して周囲組織に貯留したものを唾液瘤といいます。一方、唾石や炎症により、唾液腺管の狭窄や閉塞で唾液が貯留したものを唾液粘液嚢胞といいます。動物では、ほとんどが唾液瘤であり、さらに唾液粘液嚢胞の唾液腺管が破れると唾液瘤と区別がつかなくなるため、病理組織学的には、ほとんどが唾液瘤と診断されます。唾液瘤は発症部位によって以下のよ うに分類されます。
●頸部唾液瘤
 頸部腹側あるいは下顎間
●舌下部唾液瘤(別称:ガマ腫)
 口腔内舌下組織
●咽頭部唾液瘤
 咽頭壁の粘膜下組織
●頬部唾液瘤
 眼窩周囲
原因は不明な点が多く、鈍的外傷や異物、唾石などがまれに確認されます。

歯肉口内炎

猫にみられる歯肉・口腔粘膜の難治性慢性炎症性疾患です。 以下の別称があ り ます。ー慢性歯肉口内炎 、難治性口内炎、 プラズマ細胞性口内炎、リンパ球性プラズマ細胞性歯肉口内炎、慢性潰瘍性歯肉口内炎、慢性漬瘍性歯周口内炎、壊死性口内炎など。
口腔内の細菌やウイルス、免疫反応の異常など複数の要因がかかわっていると考えられています。しかし、 発症原因には不明な点が多いといわれています。
猫の6~7%にみられるという報告があります 。

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